ブラックホール・シャドウ

昨日書いたブラックホール電荷に関しては、観測による実証が困難なため、数学的な玩具にしかならないだろうと思っていたら、天文月報2006年1月号の高橋さんの記事に電荷測定の可能性について書かれていた。
予想ではBHは中性らしいが、もし帯電しているとすると、慣性系の引きずりの効果や荷電エネルギーによって、ホライズンは小さく、縦長になるらしい。これらのことが「ブラックホールの影」を調べることにより可能となるかもしれない。影というのは降着ガス中に境界をもって浮かび上がるBHそのものだけど、NASAが打ち上げを計画しているX線干渉計MAXIMなどで実際の観測も現実的になる。この干渉計の分解能はなんと300ナノ秒角!さんびゃくなのびょうかく!!
これほどのBH超近傍の解析も素敵だ。しかしエルゴ領域内側まで入ると、幾何学的におどろおどろしい気もする。
記事では、Kerr BH近傍の有効ポテンシャル中を通過する光の軌道(測地線)の場合分け計算もあった。いつだったかGRを勉強していた時に、同じような計算をしようとしたけど、物凄く面倒そうだから断念した覚えがある。。妙な衝突パラメータで場合分けすると嬉しいらしい。