観測問題と量子論

odakinさんのところの観測問題議論が面白い.というか,odakinさんによる解説が勉強になる.

「EPRの原論分とEverettの原論文と,おまけのベルの不等式が自然界では破られているという証拠を初めて示した実験の論文の詰め合わせ」もこっそり頂いた.時間がある時に読んでみよう.
局在的な物理を越えたところにある量子論が最もquant-ph的でエキサティングだと思う.そこは相対論も追いつかないし,日常感覚からかけ離れているにも関わらず,実験可能なのがよい.
多世界解釈は,波動関数の収縮の部分をどう表現してるか不明だったのが,上の原論文で分かるかもしれない.前は,非ユニタリー性を射影を含まない観測者の系に与えてしまったら,時間発展はあまりにもつまらないと思ってた.だって完全な決定論的世界じゃないか[このあたりは多分間違い].それでも,双対空間とか複素空間とかの,ただの数学的対象で収まらないものが物理にはあるから,まだ分からない.奥は深そう.因に,サイエンスを離れた人生観としては,昔から観念論.
実際に光とかで実験をする人は,普通にコペンハーゲン的な量子論を使うのだろうけど,エンタングルメントみたいな状況を作ってしまうのは,いくら理論を知っていても驚異ですね.日立の外村さんの2重スリット実験も驚異だけど,数個(!)の電子や光子のスピンや偏光を測定する(できる)のはすごい.
そりゃ,ノーベル賞もとるし,クリステル姉さまも取材に来る(姉さまはしかめ面だけど,古澤先生の研究はきっとすごい!).うらやましいぞ.