筆記試験の記録.
7時に起きて万全の準備で大学へ.いつもの研究室でだらだらしつつ,直前になって確認することって無いなあと思いながら試験会場へ.体調は良くない.毎日明け方に寝てるのに,こんなに早起きして体調はいいはずないわけで,気分が悪いから試験中にトイレに立ったら誰かついてくるんだろうか嫌だなあなどと考えていると一科目目開始.

物理基礎

1番の点数稼ぎ科目.
第一問力学.2次元の特に特徴の無い問題.楽勝と見抜き,これから解き始める.運動方程式を2つ立てて,微分方程式を解けということらしい.x と y が混ざり合ってるので,変数を片方消すと,4 階の線形せいじ常微分方程式.計算ミスの無いように解いて,速度も出して初期条件を使って答えを出す.きれいになったのでOK.(2) は力が保存力であることを証明して,ポテンシャルを出す.その後,Lagrangian とHamiltonian を出してそれぞれ運動方程式を導出.余裕で完答 (後で友人と話してたら,この問題ができなかったという人が結構いた.最初の微分方程式の解き方がわからないという人が多かった.x と y と時間が入っている微分方程式をなんでそのまま積分してしまう ? 数学力不足とか,注意不足とか,学力低下とかいう以前に,脱力である (特に採点する先生方が) ).
第二問電磁気.苦手だし,見慣れない記号があるのでとばして次へ.
第三問熱力学.Maxwell 関係式2つを導出する問題 (7/30の日記!!) .簡単.その後はエントロピーの全微分とか,定積比熱と定圧比熱の差を体膨張係数で表したりとか.これも余裕で完答.
今年はやけに簡単だと思いつつ,電磁気に戻る.時間はまだ1 時間はある.問題文を読むと,分極がどうのこうの..あー苦手や.とりあえず最初の電気双極子がつくるスカラーポテンシャルと電場を求める.次の分極 P に対する Gauss の法則などはとばして,その次の比誘電率と電気感受率の関係を導出.後半にいって,希ガス原子に外部電場をかけて分極が発生するという問題.電子分極率が半径の R^3 に比例 ? というところまで解いて上に戻る.導体内部の性質をぐだぐだと論じて, ρ=-divP などを導出.
あまった時間で確認.予想以上にできたので出だしは好調.

物理学

この試験には実験の問題が出る.量子力学統計力学で点数とるしかないなと考えて試験開始.
全問題をざっと見渡す.量子力学は中心力シュレ eq. を解く問題.ポテンシャル絡みじゃなくてがっかり (一応中心力ポテンシャルはあるか) .実験は結晶系と半導体物性.一応学生実験でやってはいるけど,,これはきつい.統計力学canonical 分布とスピン系.これから解き始めることに.
統計力学.前半は canonical 分布で平均エネルギーと分配関数の関係を求めたり. 久保先生ありがとう.断熱過程で壁を動かしたときに,系の平均圧力を平均エネルギーで表せ,というところで止まる.第一法則を使えば一瞬で出るけど,注意深く微小変位の考え方を使う.最後の問題はスピン系のエネルギー固有値が与えられたときに,F,U,S,C_V を求めて,温度依存性をグラフに書いて議論せよ,と(どこかに載ってそうな問題ですね).up spin と down spin に粒子数を分けて,重率を求めてエントロピーを出す.さて次は温度と内部エネルギーと思ったところで何かおかしいことに気がつく.エントロピーの中には全エネルギーしかはいっていない ?? これじゃ温度依存性なんてわからん.というか,U も F も求まらない.分配関数使うのかな,まずい,全部やり直しやん,と考えるが,考え方は間違っていないはずなので悩む.とりあえず後で戻ってくることにして量子力学へ.
量子力学.残りは 1.5 時間くらい.ありがたいことに動径方程式は与えられている.最初の問題は球対称ポテンシャルを式で表せと言っている.? と思ったが,V=A/r でいいやろということで次へ.境界条件を言え→球表面で波動関数とその対数微分が消える,と書く.ついでに,後で使うだろうから束縛条件も書いておく.最後は,R=X/r とおいてエネルギー固有値と固有関数を求めよ.s 軌道といううれしい条件がついているので,軌道角運動量は 0 として地道に式変形.最終的な形までもっていったところで,微分方程式の解の置き方を忘れる.束縛条件があるから大体のところはわかっているけど,どうにも計算が合わない.ポテンシャルの置き方が違ってたかなと思いつつ,実験問題へシフト.
実験問題.というより,物性の問題.斜方晶の面指数とか,逆格子ベクトルとかはわからないなりに何か書く (もちろん正解とはほど遠い) .後半の半導体物性は面接で恥ずかしい思いをしたくないので,何も書かない.教養無いなあ,と思いつつ統計へ戻る.
残り 20 分くらい.再び統計力学.与えられているエネルギーを分配関数の中に入れてみることに.上の解答を消すわけにはいかないので,「別解」と書く (といっても,結果は違う.こういうことを書くのは採点者的にはどうなんだろう ? ).分配関数から Helmholtz の F を求め,U も求めると,明らかに変.というか F=U になる.仕方が無いから,やはり重率で押し通すことにして計算するが,グラフなんて書けそうにも無い..また量子力学に戻ることに.
残り 7 分程.量子力学の最後の問題.解が求まらないから,「ごまかす」ことにする.解の一方は単振動で,これの寄与がメインだから,後は収束の速さを議論して,もう一方の解を制限付きの巾で置く.最終的に束縛条件を満たすように,三角関数に 1/r を乗じたものが固有関数です.と最後まで書ききらないうちに試験終了.
というわけで,物理は 60~70 % くらいのできといったところ.