入院の思い出その4

ホーキングで思い出したけど,主治医によると,ホーキングはALSではないのでは?ということだった.運動性ニューロン疾患ではあるが,21歳で発病して60歳を超えるのはALSで説明がつかないらしい.いずれにせよ物理的には長生きしてくれた方が良い.
今回,神経内科にかかっていたということで,暇つぶしにそのホーキングの伝記を読んでいた.本を見た主治医とは上のようなこと話していたんだけど,別の医師は理論物理に興味があるらしく,なんかいろいろ訊かれた.ブラックホールからは何が出てくるんだとか,膜構造とはどういうことだとか,ペンローズの仕事を説明しろとかなんとか,,.そんなの俺も知らんよ...
逆に,物理に興味が無いひと(世の中の大部分だな)とは,話が全く続かないことが多かった.最近は,宇宙物理を勉強してますといっても通じないことがわかってきたので,専門は天文学と言うこともある.


看護婦さん「なんの勉強してるの?」
俺「天文学です」
看護婦さん「へぇ...」


みたいな.この後,話を続けようと「ほら,ブラックホールとか.ブラックホールは3種類あって...」みたいに努力しても,苦笑いしかされない.
やさしい看護婦さんの場合,もう少し相手をしてくれるけど(入院中の僕の人生は看護婦さんに捧げられていた),返答はほぼ決まっていた.


「じゃあ,将来はNASAだね」と「ロケットに乗るの?」だ.


少しうれしい.でも違うんだ,看護婦さん.