昨日の電磁気ゼミ

導体が蓄えるエネルギーから電場がつくるエネルギー,磁場のエネルギーへ.微視的ジュール熱を簡単に説明してmaxwell eqからとりあえずのエネルギー保存則を導く.すなわち(電磁場のエネルギーの時間減少率)=(単位時間のエネルギー散逸)+(単位時間に電磁波が放射するエネルギー)が得られる.電気容量を与える式を仮定を少なくして説明するのがやはり難しい.球形コンデンサーを無限に引き離すというのも天下り的だし,一昨日の日記の説明も最初にポテンシャルを与えてるわけだし.
次のゼミの予定は未定.

輻射流体ゼミ

Chapman-Enskogの1次で非平衡分布関数を求めるのだが,計算が大変.結果はまだ出ていない.まずf_1をMaxwell分布f_0と平均自由行程(パラメータ)の関数として表し,衝突積分を評価した結果をΦの汎関数Fでおく.fのいろいろな性質を用いて,なんとかΦの形を予想するが,この中に速度ゆらぎと温度の未知関数A,Bと新たな関数Ψが入ってくるので先にこれらを決定しなければならない.幾何学的性質やheat fluxを考えてとりあえずAに関する積分方程式が出てきたところで今日は終了.次回は変分.楽しいなあ,こういうの.

定積熱容量と定圧熱容量の間に一般に成り立つ関係を導出したことが中心.いろいろ方法はあるが,結局エネルギー方程式を使うのが簡単.久保にはヤコビアンを用いる方法もあったが,技術は最低限でやっていく方針.

量子力学

無限井戸ポテンシャルに摂動が加わる問題を請われて解く.時間はかかったが,何の問題も無い.

宇宙論講義

標準理論を一通り説明してから,真空の相転移バリオン生成のSakharovの条件など.その後インフレーションの簡単な解説を少々.相転移前の真空のエネルギーが宇宙項として働き,大膨張を引き起こす.GUT scaleではなんと,10^{-30}secに宇宙は10^{4・10^6}倍に膨張.インフレーションモデルでは,地平線問題,CMBゆらぎ,量子ゆらぎなどを説明可能という利益がある.最後に観測的宇宙論を少し.
ほとんど既に知っていることだった.
10年程前に某宇宙論学者の書いた一般書を読み,上のようなことを知り,その結果として今,物理科にいることを思うと感慨一入.しかし,一般書は面白かったしモチベーションにもなったが,なにかはっきりとしない,30回読んでも決定的にわからない無知お断りの壁があったように思う.今考えるとそれはやはり数学だったんだろうな.