退院,入院の思い出

退院した.
11月15日から12月12日まで約1ヶ月,入院費は計23万円(3割負担.簡易保険でさらに戻ってくる).最初は1週間くらいの予定だったから,延びた.長かった..でも快適だった.
結局最後まで確定診断は出なかった.僕の症状は診断が難しい&珍しいためらしい.
主にMRIによる診断の結果,病変は高位頸髄に炎症が見つかった.これは最初にK病院で撮ったMRI画像を見てJ病院の僕の主治医が発見し,造影剤入りのMRI画像ではっきりした.ということは,K病院の医師はこの病変を見逃したということになるんだけど,主治医によると,経験のある神経内科でなければ今回のケースの場合仕方がないとのこと.
というわけで,病名は最終的に以下の3つに絞られた.上の方が可能性が大きい.

MSは有名な神経・免疫系の難病.診断書では一応これが正式な病名となる.難病情報センターによると,日本における患者数は10万人あたり8〜9人程度.
ウイルス性脊髄炎は風邪みたいなもので再発しないが,これの可能性はほとんどないらしい.
アトピー性脊髄炎はぐぐっても(MSのような有益な情報は)あまりヒットしない.10年くらい前に九州大学の吉良先生が提唱した新しい疾患.診断書ではこれが合併症ということになるが,一番可能性が高いのは実はこれで,アトピー性皮膚炎の患者に特異の脊髄の炎症を発症させる.
四肢の対称的なしびれを主訴として,様々な検査結果と経過を鑑み,疑われる鑑別疾患を消去していくと普通MSが残るらしいけど,AMを含めるとMSの可能性の方を消去しなければならない.主治医は脊髄の専門家でAMのこともしっかり知っていたけど,とりあえずの治療法は同じということもあって,この2つのうちどちらかを確定することはしなかった.この先生は本当に優しくて名医でよかった.感謝.今後もずっとお世話になる予定.
困るのはMSとAMは再発することで,それだけが憂鬱.
そんなわけで思いがけず難病患者になってしまった.どうぞよろしく.